遺産分割協議の方法 代償分割、換価分割、現物分割記載例|大田区のノア法務司法書士事務所

相続
  1. ホーム
  2. 相続
  3. 遺産分割協議の方法 代償分割、換価分割、現物分割記載例|大田区のノア法務司法書士事務所

大田区のノア法務司法書士事務所 遠藤です。

相続が発生すると、ほとんどの場合必要となるであろう、遺産分割協議について

遺産分割協議には色々な方法がありますので、それについて 解説します。

遺産分割協議の方法

遺産分割はある財産を誰に渡すかと言う決め方以外にも色々な方法での分割方法があります。
一般的な意味の遺産分割は逆にそこまで多くなく
代償分割や換価分割などを複合した方法が良く採られる方法かと思います。

1 現物分割(一般的な意味の遺産分割)

  不動産は○○へ預貯金は○○へ株式は○○へ等の決め方により相続財産を分配します。
  単純にどの財産を誰に渡すかってのを決めるシンプルな分割方法です。

基本的に相続税がかからない案件以外で現物分割のみの遺産分割はあまり多くない印象です

相続税がかかり、税理士が入ってるような案件ですと、以下の2の代償分割との複合パターンが多い印象です。

現物分割 記載例

遺産分割協議書並びに他に相続人がないことの証明書

(※特に「ほかに相続人が無い事の証明書」と付け加えなくても良いです、内容さえ間違ってなければ表題はそこまで気にしなくても良いです。)

被相続人 佐藤A作(令和2年5月28日死亡)

最後の本籍 東京都大田区○○番地
最後の住所 大田区○○一丁目28番10号
登記簿上の住所 大田区○○一丁目28番10号

上記被相続人の遺産について、共同相続人間において遺産の分割について協議をした結果、
次のとおり決定した。

1 相続人佐藤B作は、次の遺産を取得する。

一棟の建物の表示 
所   在 大田区○○番地
構   造 鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根9階
専有部分の建物の表示  蒲田五丁目 ○番〇
建物の名称 505号
種   類 居宅
構   造 鉄骨鉄筋コンクリート造1階建
床 面 積 5階部分 20.8㎡

1 相続人 田中C子は、次の遺産を取得する。

所   在 大田区蒲田五丁目
地   番 〇番〇
地   目 宅地
地   積 501.40㎡
持分10万分の5000


1 相続人 田中D子は次の預貯金を取得する。
みずほ銀行 大森支店 総合口座               口座番号 555558       


2 この遺産分割協議書に記載のない財産及び本遺産分割協議の日以降に判明した遺産については、
当事者で別途協議する。

他の記載方法として、「この遺産分割協議書に記載のない財産及び本遺産分割協議の日以降に判明した遺産については、相続人田中D子が取得する。」

3 共同相続人全員は、各相続人が取得した遺産について名義変更手続きを円滑に行うことができるよう、必要書類に署名・捺印し、印鑑証明書の提出など相互に協力するものとする。

以上のとおり、相続人全員による遺産分割協議が成立したので、これを証するため本書を作成し、
署名捺印の上、原本を田中C子が所有する。

(別の記載方法としては「署名捺印の上、各相続人が原本を保有する」
この場合原本を相続人分作成します。

被相続人佐藤A作には、下記のほかに相続人がない。

 上記事項を確認するため、相続人は次に各自署名し押印する。

令和2年  月  日

        (住 所)

        (氏 名)                         

   (住 所)                         

        (氏 名)

   (住 所)                         

        (氏 名)                         

2 代償分割

 相続不動産にある相続人が住んでいるので、その不動産を相続したいが、不動産の価値が高く、一人が相続すると不公平になる場合や、手続きの複雑な株式等を何名も相続するという手続書類の煩雑さを回避するためから

一人がすべての財産を全部相続又は特定の財産を相続し
相続人間で公平性を保つため、他の相続人に代償金を支払う分割方法です。

(例 相続財産が不動産しかない場合、一人が不動産を取得しますと、他の相続人間に不公平感が生じ、遺産分割がまとまらないようなとき、不動産価格の何割かを相続人に代償金として支払うと言う分割です。)

(例 株式手続きや、銀行手続きなどはその財産を取得する各相続人が書類等への記載をしますが、相続人が多い時などその書類が膨大になります。そこで便宜上一人が相続した事にし、代償金で解決するという分割です。)

ここで疑問に思うのが代償金の決め方ですが

代償金の決め方

これは、簡単に言えば自由に決めて良いかと思います。

相続人間で全員が納得すれば、特にどう決めなくてはいけない事はございません。
極端に言えば10円とかでも良いですし

ただ、代償分割は基本的に相続人間の公平を保ち、遺産分割を促すための分割方法と言えますので、ある程度、根拠のある金額や法定相続分を基準にして、決定されるかと思います。

例えば、不動産を一人の相続人が相続する遺産分割協議が成立した場合、
不動産の固定資産税を基準に相続人の法定相続分で割った代金をその相続人に支払ったり
とかがあるかと思います。

代償分割記載例

代償分割の遺産分割協議書についてその部分に着目した簡易的記載例となります。
他の部分については前述の遺産分割協議の記載を参考にしてください。

代償分割記載文例

1.被相続人の遺産の全部は相続人佐藤B作が取得する。

1.相続人佐藤B作は代償金として、金500万円を相続人田中D子に支払う。

1.相続人佐藤B作は代償金として、遺産に属する預貯金の4分の1を相続人田中C子に支払う。

1.この遺産分割に関連して、相続人佐藤B作は、取得する遺産の価格から、被相続人の葬式費用を控除した残額の4分の1に相当する金銭を相続人田中D子に支払う。

3 換価分割

故人の不動産に相続人の誰も住む予定が無かったり、株式等について相続人の誰も興味が無いような場合、

遺産である、不動産、株式を売却してお金にしてから分割する分割方法です

(例 不動産や株式を売却し、その売却代金を3人で分割する等)

換価分割記載例

1 下記不動産については換価分割とし、相続人○○が取得する。
  相続人○○は下記不動産を売却換価し、売却代金から譲渡に要する経費を控除した
  金額を相続人○○に4分の1、相続人○○に4分の2ずつ分配する。
  所   在 大田区蒲田五丁目
  地   番 〇番〇
  地   目 宅地
  地   積 501.40㎡
 

分割協議の方法は複合してても良い

このように遺産分割協議には、現物分割、換価分割、代償分割と色々方法がありますが、これは別にどれか一つの分割方法しか取れないという意味では無く


現物分割と換価分割を組み合わせたり、換価分割と代償分割を組み合わせたり
色々な方法が取れます。

遺産分割の付随問題

遺産分割において、遺産をどのように分配するかと言う分割方法についてお話しましたが

遺産分割協議においては、遺産の分配以外にも葬儀費用などの債務について誰が負担するかの決定も遺産分割協議に記載することができます。

とりあえず、今後揉めそうな費用負担の問題などを遺産分割協議書に記載しとくべきかと思います。。

決めといたほうが良い付随問題

  • 故人の債務(税金)
  • 葬儀費用
  • 相続財産の範囲(名義預金)
  • 祭祀承継者
  • 遺産の管理費用
  • 遺産からの収益
  • 今後の養親の介護問題

このように単に遺産分割と言っても色々な方法や決めることががあり記載を間違えたりしましたら、
相続手続きができない場合もありますし、贈与税等の思いもよらない税金がかかることがあります。

ですので、相続財産が多かったり、色々な問題があるような遺産分割の場合は専門家に任せた方が良いと思います。

当事務所は相続の専門の司法書士でありますし、相続の実績も多数あります。
初回相続相談は無料ですので是非お気軽にご相談ください。

遺産分割協議や相続でお困りの場合は

大田区の司法書士事務所
ノア法務司法書士事務所へ御連絡下さい。

東京都大田区池上一丁目23番10号 
℡ 03-6410-9788
ノア法務司法書士事務所 
代表 遠藤太郎