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  3. 数次相続登記申請記載例|相続人の住所がわからない場合の相続登記申請書の記載方法、一人遺産分割協議の可否

大田区の司法書士事務所 ノア法務司法書士事務所 の遠藤です。


数次相続、一人遺産分割協議がらみで、相続人の住所がわからない時の相続登記、中間の相続の被相続人の同一性の書類はどうするか?など考えさせられる、少し面白い登記をしたので、その備忘録メモ

相続登記で相続人の住所がわからない時

相続登記の申請書には不動産取得相続人の住所を記載しますが、この相続人の住所がわからない時

通常は、住民票、戸籍の附票を取ればわかりますので、そうそうわからない時は無いかと思いますが
数次相続が絡めば住所がわからないような状況も生じます。

何故、住所がわからないような状況が生じるかと言えば、戸籍の附票も住民票も保存期間があり、5年で廃棄されてしまいます。

相続人の戸籍の附票や住民票が廃棄される事はありえないのですが(生きてる相続人なので相続するから)

数次相続が絡み、亡くなった人名義で相続登記をするような場合は、このような事態も生じます。

結論から言いますと

相続人の住所がわからない時は本籍を記載します。

申請書は


目的 所有権移転
原因 令和〇年〇月〇日相続
相続人 (被相続人 A)
東京都大田区池上一丁目999番地  ← ここ通常住所を記載しますが、本籍を記載します。
   B田B吉

兄弟姉妹の数次相続と一人遺産分割協議の可否

まずは、今回の申請がどのような状況の説明

田中A男、山本B子、山田C男は兄弟です。

財産を持っている被相続人田中A男の相続なのですが、現時点で相続人は山田C男の奥さんの山田D子しかいません。

では、田中A男の財産を山田D子へ名義を移しにはどのような申請が必要でしょうか

一件の相続登記で直接山田D子へ名義を変更できるか?

田中A男死亡時の平成4年で見てみるとA男の相続人は亡山本B子、亡山田C男

平成21年時で見ると亡山本B子の相続人は亡山田C男

現時点の平成31年時の亡山田C男の相続人は山田D子

相続関係図

現時点で山田D子は田中A男の相続人たる山田C男の遺産分割協議をする地位を相続し

又 田中A男の相続人たる山本B子の遺産分割協議をする地位を相続した山田C男の遺産分割協議をする地位を相続したとして 山田D子による遺産分割決定により直接移転登記できないか?

山田D子が上記遺産分割協議をする地位を相続したとして
一人で遺産分割をし、中間の相続が単独だとして、1件ので登記で直接山田D子名義への登記は出来ない。

東京高等裁判所 平成26年(行コ)116号 処分取消等請求控訴事件 の考え方により、相続人が最終的に一人になったので、遺産共有状態が解消されるゆえに遺産分割と言うのは考えられず、

法定相続により登記していくという考え方による。

一人遺産分割は出来ない。よって法定相続で登記する

尚、今回相続人が山田D子以外に居たら直接相続登記できたのか?問題は残るかと思う。
原因 平成4年山田C男相続
   平成31年相続
って風になると 山本B子が出てこないけど、別にこれでも良い感じがするがそれぞれの遺産分割協議をする地位を相続した者同士が平成4年時に山田C男に単独取得の分割して、それを相続するから。


数次相続の申請書

では、法定相続どうりに登記をするとして、前述のように住所がわからない相続人が出てくるので、添付書類上問題は無いか?

まず、本件登記事項はこのようになってます

田中A男の遺産の登記事項
1 所有権移転昭和52年5月28日売買
東京都大田区池上一丁目5番5号 田中A男

次に各相続人の住所は

田中A男 現住所不明、除附票、住民票共に保存期間を超えたので廃棄
山本B子 現住所不明 除附票、住民票共に保存期間を超えたので廃棄
     唯一戸籍は取れるので本籍 東京都大田区一丁目991番地はわかる。
山田C男、山田D子 埼玉県さいたま市〇〇

数次相続の申請書①

第1申請 田中A男の相続登記


目的 所有権移転
原因 平成4年相続
相続人 (被相続人田中A男)
埼玉県さいたま市〇〇 亡山田C男 (※山田C男の住所を記載)
埼玉県さいたま市〇〇 持分2分の1 上記相続人 山田D子

東京都大田区一丁目991番地 亡山本B子 (※山本B子の住所を記載したいが、わからないので本籍を記載)
埼玉県さいたま市〇〇 持分2分の1 上記相続人 山田D子

添付情報 (略)

登録免許税 租税特別措置法第84条の2の3第1項 により非課税

ここでの添付書類は特に問題は無し。
被相続人の同一性の書類については、前述のように除附票等は廃棄されてるので、添付は出来ない。

よって権利証、や上申書を添付する。

登録免許税が非課税な点は注意する

数字相続の申請書② 

次に第1申請で山本B子名義となった持分を相続で移転
前述の相続関係図でもわかるとおり、B子の相続分は一度C男に移ってからD子へ移転する。
B子とD子は直接の相続関係にないからです。

第2申請 山本B子の相続登記


目的 山本B子持分全部移転
原因 平成21年山田C男相続  (※B子死亡日)
   平成31年相続      (※C男死亡日
相続人 (被相続人山本B子)
埼玉県さいたま市〇〇 持分2分の1  山田D子

添付書類 登記原因証明情報、住所証明書(前件添付)
課税価格 移転した持分の価格○○
登録免許税 金○○円

この第2申請目での問題は被相続人山本B子の被相続人の同一性を証する書面をどうするか?と言う点である。

通常、被相続人の同一性は登記上の住所と被相続人の住所が同じかという事を証明しますが

被相続人 山本B子は中間の相続登記の名義人であり、申請前のこの時点において登記上住所は出てこない。

また徐附票、除票もすでに廃棄されている。

またそもそも第1申請において山本B子は住所でなく、本籍で登記している

第1申請終了時の登記事項

田中A男の遺産の登記事項
1 所有権移転昭和52年5月28日売買
東京都大田区池上一丁目5番5号 田中A男
2 所有権移転平成4年相続
共有者
埼玉県さいたま市〇〇 山田C男 
東京都大田区一丁目991番地 山本B子←住所じゃなく本籍で登記)
第1申請終了時の登記事項

とするならば、山本B子の被相続人の同一性は
登記上に現れた本籍を証明すればよい

山本B子の死亡の戸籍で被相続人の同一性の証明は出来る

数字相続申請書③

この点については山田C男相続の普通の相続登記なので割愛

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代表 遠藤太郎