戸籍の読み方① 出生から死亡までの戸籍とは

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1 戸籍とは 出生から死亡までの戸籍とは

相続手続きで出生から死亡の戸籍が必要って言われたんで、役所で戸籍を1通取って持って行ったら、他にもっと必要って言われたけど・・戸籍って1通じゃないの?

最新の現在の戸籍を取ってみると、身分事項として出生の事項と死亡の事項が記載されてます。 出生の記載と死亡の記載が書いてるから出生から死亡までの戸籍はこれで足りるとよく間違えやすいのですが 、これをもって出生から死亡の戸籍とは言えません。

出生事項と死亡事項が記載されていたら、それは出生から死亡の戸籍じゃないの?
なんで?

相続手続きに出生から死亡の戸籍が必要と言われてるのは、結局はその人の相続人が誰かという相続人確定の為です。いつ生まれていつ死んだという事実だけを知りたいわけでは無いです。
では戸籍1通ですべての相続人が記載されているかと言うとそうではありません。

簡単に言いますと、戸籍は様式が変わる事によって、作り直されたり、本籍地を移転するごとに作り替えられます。そしてこの作り直されたときに前の戸籍の記載事項が全部引き継がれるわけでは無いのです。

例えば一個前の戸籍に父親、母親、息子、娘が記載されていたとします。その後息子は死亡し、娘は結婚しました。

現在の戸籍1通だけ見たら、上の戸籍のお父さんの相続人は奥さんだけってなっちゃいますね。

このように戸籍は引き継がれない事項があり、又何回か作り直されてますので、その人の相続人を確定させるためには、その人が生まれたときに作られてた戸籍から現在の戸籍まで取得する必要があるのです。
これが出生から死亡までの戸籍と言われてます。

2 戸籍の種類、改製について

じゃあ、戸籍は何回か作り直されてるって言うけど、何種類あるの?

現在取得できる戸籍の種類(様式)は5種類あります。

○日本で初めて戸籍制度が出来たのが明治5年

その後明治19年、明治31年、大正4年、昭和23年、平成6年に戸籍法が改正され、
それに伴い戸籍の様式は変化しました。

これらの戸籍は改正された年にちなんで、それぞれ

戸籍の種類

1.「明治19年式戸籍」
2.「明治31年式戸籍」
3.「大正4年式戸籍」


4.「現行戸籍」(昭和23年の改正後の戸籍) 
← 戦後の家族制度の変化による大きな変化

5.「コンピューター化された現行戸籍」(平成6年改正は用紙が縦型となる)
と呼ばれています。


戸籍の読み方ポイントとしては戸籍は、戦前戸籍と戦後戸籍とで大きく変更していると覚えときましょう。

昭和23年の戸籍と平成6年改正の戸籍のこの二つの戦後戸籍と

それ以前の戦前の戸籍では
戦後の家族制度の変化により、戸籍の記載や様式が大きく変わりました。

このように戸籍の様式が変わることを戸籍の改製と言います。

わかりずらいですが、戸籍法の改正によって戸籍が作り直される、いわゆる戸籍が改製されるという事です。

戸籍は5種類、戦前と戦後で見方が大きく変わってます。

3 改製原戸籍、除籍について

このように戸籍の様式が変わる場合、元の戸籍を改製原戸籍(かいせいはらこせき)と呼びます。
かいせいげんこせきとは呼ばないようです。
戸籍内の人に新たに子供が増えたりなどの変更がない場合や本籍を移転してない場合も、もこのように戸籍の様式の変化によって、戸籍は増えていきます。

又、このように戸籍の様式が変わる場合には元の戸籍から新しい戸籍へと引き継がれない事項がある!と言う点が非常に大事となります。

4 各様式の戸籍の特徴

(1)明治19年式戸籍(明治19年から明治31年まで作られた戸籍) 

○家を一つの単位(戦後戸籍は夫婦とその子供)に、戸主(戦後戸籍は筆頭者)を中心に現代と異なり、弟や孫や子供の配偶者など多くの人が一つの戸籍(3世代が入ってる事もあります)に入っています。

○戸籍が作られる原因の一つが「家督相続」戸主が死亡した場合がその一例です。

(2)明治31年式(31年から大正3年までの間に作られた戸籍)

 ○基本的に明治19年式と同じ

(大きく異なる点は「戸主となりたる原因及び年月日」が追加された。

(3)大正4年式(昭和22年まで)(別名昭和改製原戸籍)

 ○ 基本的に家制度なので明治31年式と同じ

 ○ 明治31年式と異なる点は「戸主となりたる原因及び年月日欄が廃止」され、
   その内容が戸主の「事項欄」に記載

 

(4)昭和23年式(別名 平成改製原戸籍)

戦後家族制度が変わった事による大改正

※ 平成の戸籍の元(前)の戸籍なので昭和に作られても、平成改製原戸籍と言われてます。

 主な変更点

○ 戸籍が「家」の単位から「一組の夫婦と未婚の子供」単位で作成される。
  結婚したら新戸籍が作られます。

○戸主が無くなる、代わりに筆頭者と言う記載になる

○転籍の記載など、同じ戸籍内の各人に共通する事項を記載するために「戸籍事項欄」 が設けられた。

○また、戦前戸籍と異なり、筆頭者(戸主)の死亡が新戸籍に作り替えられる原因にならなくなった.

※戦前の戸籍までは戸主が死亡したら、戸籍は新しい戸主の下で作り替えられる。

現行戸籍は筆頭者が死亡してもその戸籍の筆頭者は死亡した人

(父、母、自分の3人が在籍している戸籍)
父親がすでに亡くなっている、母親が亡くなったので母親の相続の為戸籍収集)
この場合でも筆頭者は父親なので 収集するためには母親筆頭者として探してもみつからない。

戦後の戸籍は筆頭者が死亡しても、筆頭者は変わらない。残された人が筆頭者となるわけではない!

(5)コンピューター化された現行戸籍

 基本的に昭和23年式と同じ。紙ベースで管理されていたのが情報ベースで管理。

 主な変更点 今までの縦書きから横書きとなる。 

「平成6年法務省令第51号附則第二条第一項による改製」と記載されている。

実際には戸籍の保存期間の関係で、明治19年式は現存はほとんど無いですし、

実際、○年式と言うよりは戦前戸籍と戦後戸籍と言うような考え方の方が良いです。

まとめ

戸籍は色々種類があるが、大まかに分けて、戦前戸籍と戦後戸籍で大きく様式が異なる。!

次回は実際の戸籍を見ながら取っていきましょう

戸籍の読み方② 戦前戸籍の読み方基本 実際の戸籍を例に

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