登記名義人住所 氏名変更② 不動産備忘録④

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登記名義人住所 氏名変更②

大田区のノア法務司法書士事務所 遠藤です。
住所変更、氏名変更の続き
前の記事は登記名義人住所、氏名変更①

1 行政区画変更証明書って不要?

相続登記を申請するときに添付する、被相続人の同一性を証明する書類

具体的には被相続人の除附票や除票や戸籍などがそれにあたりますが

例えば、登記上は保谷市東伏見1丁目1番1号 のAさんが居て

保谷市は田無市と合併で西東京市へ変更、いわゆる行政区画変更がなされてます。

法定相続情報一覧図では 被相続人 A の住所は 西東京市東伏見1丁目1番1号 と記載

この場合 被相続人の同一性を証するため 行政区画変更証明書をつけるかどうかなんですが

これは不要です。

行政区画変更証明書は添付不要

実務上、行政区画の変更で地番の変更がない場合 は みなし規定に近い取扱いをしてますので

すなわち 保谷市のままで西東京市とみなす取扱い。

ですので、登記上と法定相続情報一覧図上でAさんの住所に違いは無いので、これは不要です。

では、住居表示の実施によって 登記上の住所と法定相続情報一覧図での住所に齟齬が出る場合って

住居表示実施証明書って必要になるのかなー?と疑問に思いましたが

この場合は住居表示実施証明書が必要となります。

住居表示実施証明書は添付必要

ちょっと根拠はわからないのですが、 まー行政区画の変更と違って、登記官は住居表示が変わったっていちいちわからんよね。

前提としての住所変更登記も住居表示実施による変更の場合はやりますし。

② 住所変更登記か住所更正登記か?

平成26年6月16日受付番号 ○○○
平成26年6月5日売買
所有者A

このような登記事項がある場合でAさんが平成26年6月9日に住所を移転している。

この場合の登記名義人の住所変更は 更正登記でやるべきか、変更登記とすべきか

すなわち登記原因日付の6月5日を基準にすると 、その後に住所を移転しているので住所変更登記となる

また、登記の受付年月日の16日を基準とすると、申請時にはすでに新住所となっているのだから 申請時から既に登記事項に不一致があったのだから更正登記となる。

結論として、この場合は 更正登記となる。

更正登記の不一致は登記原因日付との不一致ではなく、登記の受付年月日を基準にその前に生じていた事由がある場合となる。

不一致が登記の受付年月日前に生じていた場合は更正登記

③ 住所が附票等でつながらない場合の添付書類

住所変更登記で登記上の住所から現在の住所までの変遷の証明をする必要があります。

基本的に住民票、戸籍の附票を取れば、登記上の住所が記載されてる可能性が高いので、ほとんどのケースでこれで足りますが、住民票は前住所までしか表示されませんし、戸籍の附票は5年間しか保存されませんので、

例えば10年前に住所東京、本籍も東京、この時不動産を買って、登記上の住所も東京の場合、

その後9年前に千葉県に引っ越し、

その後8年前に住所も本籍も埼玉に引っ越しの場合、

現在の戸籍の附票には 埼玉の本籍、埼玉の住所しか記載されません。戸籍の附票は戸籍が作られてから(本籍を移してから)の住所変遷にしか記載されませんので、又住民票にも一つ前の住所が記載されるだけなので、千葉の住所までしか記載されません。

この場合、千葉、東京の戸籍の附票を取ろうとしても、基本的に保存期間を過ぎていて取得できません。

このように住所変遷の証明ができない場合の住所変更登記は以下のような添付書類が附票、住民票に加えて、追加で必要となります。

これらの書類をどこまで求められるかは法務局によって変わりますので、詳しくは法務局へ問い合わせが必要かと思います。 但し、③の場合でこれ以外の書類を求められたことはないです。

① 上申書+印鑑証明書(ある法務局で不在住不在籍をつけてと言われたことあり)

② 上申書+印鑑証明書+権利証

③ 上申書+印鑑証明書+権利証+不在住不在籍証明書

④ 上申書+印鑑証明書+不在住不在籍証明書

⑤ 権利証 (ある法務局はこれでOKだったが、上申書基本つけてと言われました)

④ 外国での住所変遷の証明も必要

こちら当時の資料が無くなったのでもしかしたら 考え違いかもしれませんが

私のメモ用に開業時から悩んだ点をまとめてるワードファイルがあるのですが、ここに記載されてまして、当時考えた記憶は残ってました。少し事情を変えてますが

住所変遷が以下の場合

1. 平成20年5月   東京港区(除票住民となった年月日)
2. 平成24年オーストラリアへ転出(除票)
3. 平成26年オーストラリアシドニーに住所《在留証明住民となった年月日》

3 の現住所は在留証明書を取って証明、

1,2は港区で附票を取れるので取ると 港区の住所とオーストラリアへ転出の事実は記載。

附票にはオーストラリアのどこに転出かまでは書いてないです

では、この場合 平成24年のオーストラリアの転出がオーストラリアのメルボルンだった場合

在留証明書には前住所が記載されないですけど、住民になった日に平成26年と記載されるので、

書類上、あれ、おかしいな?となるので、メルボルンからシドニーへの移転の経緯は必要かと思います。

結局 別の事情もあったので、上申書を提出する形でやったので申請は通ったのですが、これ、海外の前住所を取る(そもそもとれるのか?)労力考えれば、色々考えず、最初から上申書でいけたなと。