1.初めに
大田区池上の司法書士事務所 ノア法務司法書士事務所 の遠藤です。
相続人に未成年者が居る時特別代理人選任申立などの問題が生じる事がありますが、
相続人ではない親権者が居る場合、その親権者が未成年者の代理人となって遺産分割協議をすることができます。
それと異なり、未成年者が複数の場合、その親権者は複数の未成年者を代理できず、親権者が代理しないその他の未成年者の為に特別代理人の選任が必要となります。
では、この場合、未成年者が各々同一の親を代理人として、相続分を他の相続人に譲渡する時に特別代理人の選任は必要なのか? これにより、未成年者に不動産の持分を取得させず、相続人が望む遺産分割が可能となる。
結論として、今回は特別代理人選任は不要でした。
2.事案
上記事案において、被相続人Aの相続人は配偶者Bと長女C、長男DはAより先に亡くなってるので未成年者Gと未成年者Fが相続人である。 尚Dの妻Eは相続人では無い。
この場合の遺産分割において、EはFの親権者として遺産分割協議に参加できるが、
そうすると、もう一方のGを代理して遺産分割協議に参加する事は出来ない。
このような行為は利益相反に当たるので、Gの為に特別代理人選任を申立る必要があり、特別代理人がGを代理して遺産分割協議に参加する。
3.相続分譲渡
では、この場合、
親Eが娘Fを代理して娘Fの相続分を祖母Bに相続分譲渡し
同時に親Eが息子Gを代理して息子Gの相続分を祖母Bに譲渡するには特別代理人選任申立が必要か?
この場合特別代理人選任申立は不要でした。
但し、法務局に照会を出したところ、「理屈理由はあってるが本件において限り・・・」と言う事でしたので、他の法務局や事情によっては認められるとは限りませんので注意が必要!
根拠
私がこの場合 あげた根拠としましては
① 判例通説による 民法826条2項の利益相反行為とは行為の性質外形上からのみ判断される事。
すなわち、826条2項の「利益相反する行為」とは行為の性質、外形上、親権に服する子の一方の為の利益であって、他方の為に不利益な行為を言う。
② 本件において、相続分譲渡は祖母Bと娘F、祖母Bと息子G と言うように各人が合意する個々の2当事者間の契約であり、外形上利益相反と言えない。判例通説により、他の未成年者への相続分譲渡契約はこの判断において考慮しない。
③ 遺産分割行為は多数当事者間の合同行為であり、相続分譲渡は個々の2当事者間の契約でありその性質を異にする。
④本件のような同一親権に服する複数の子の相続分譲渡において、親権者が複数の未成年者を代理して相続分譲渡契約をする事を認めてない判例、先例が特に無いと言える。
4.結論
以上のように 事情により毎回同じ結論となるかは不明ですが、特別代理人選任申立をせずに、祖母B・長女Cのみの遺産分割協議で相続登記ができました。すなわち未成年者が遺産分割に入ってこない。
特別代理人選任申立してしまうと、未成年者保護のため、相続人間(関係者)が望んでない遺産分割を求められる場合もありますので このやり方によって、それを回避することができました。
例えば、遺産が不動産とかしかない場合、未成年者が法定相続分の持分を持ったり、代償金を貰ったりとかDの妻Eが望んでない場合も 特別代理人選任申立をすることによって、そのような結果になるのって、相続人間は望んでないですしね。
(但し、この場合は一旦代償金等で貰って、贈与等で返却する形で調整するんでしょうね)
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