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  3. 添付書類の援用① 印鑑証明書、住民票の後件での援用

大田区の司法書士事務所ノア法務司法書士事務所遠藤です。

不動産登記において、添付書類の援用についての自分的備忘録メモ。
尚ややこしいですが、結果的に1通で足りることも本来的な意味と違うかもしれませんが援用と記載してます。又法務局によって対応が異なるかもしれません。

①前件の住所変更登記の住民票を後件で援用できるか?

 例えば 下記のように共有された不動産において Bさんの持分をAさんに贈与したい。
 けど 東京都○○のAさんの住所が神奈川県に移転している場合。
 この場合、住所変更登記と贈与による移転登記の申請をします。、(順番はどちらでもよい)

1 所有権移転東京都○○ 持分2分の1 A
神奈川県○○持分2分の1 B
Q

前件のAさんの住所変更登記で添付する、住民票を後件の贈与登記の権利者としての住所証明書として援用できるか?

A

後件で援用できる

②連件での 遺産分割協議書と上申書の印鑑証明書の援用 印鑑証明書は1通で足りるか。

結論は1通で足ります。

例えば下記の登記事項のように、不動産が共有の場合でBさんが亡くなり、その被相続人Bさんの相続登記と

Aさんが住所を移転しているので住所変更登記を

連件で申請する場合でAさんの住所が附票等で証明できない場合。

1 所有権移転東京都大田区○○ 持分 2分の1A   ←住所移転
東京都新宿区○○ 持分 2分の1B ← 被相続人

まず、前提として、遺産分割協議書には不動産取得者以外の印鑑証明書を添付する必要があります。
又、住所変更登記において住所がつながらない場合に提出する上申書には印鑑証明書の添付が必要です。

すなわち今回の登記申請では印鑑証明書が2通必要とも考えられる。


○申請の順番 相続登記→住所変更登記
Bの相続人がACの場合
不動産取得者 Aの場合

遺産分割協議書には不動産取得者Aの印鑑証明書は不要。
後件の上申書にはAの印鑑証明書をつけるので 印鑑証明書は後件の上申書につける1通で足りる。

問題なのはAが不動産を取得しない場合


申請の順番 相続登記→住所変更登記
Bの相続人がACの場合
不動産取得者 Cの場合

Q

この場合 前の事例と異なり遺産分割協議書にはAの印鑑証明書をつけます。 
では前の事例と同じように後件の上申書にもAの印鑑証明書をつけるが、印鑑証明書は2通必要か?

A

 この場合、遺産分割協議書の印鑑証明書を後件の上申書の印鑑証明書へ援用しますので、印鑑証明書は1通で足ります。
(※ただ、これを援用と行って良いのかは調べても、わかりませんでした。援用できる場合とは添付根拠が同一な事が必要でして、遺産分割協議書の印鑑証明書は登記原因についての第三者の同意書と言えますが、上申書へ印鑑証明書が必要な根拠、通達がちょっと見つかりませんでしたので。単純に援用ではなく、遺産分割協議書の印鑑証明書は原本還付できるので、還付された書類を後件で添付したという事かもしれません。※ 後述の遺産分割協議書の印鑑証明書を後件の義務者の印鑑証明書へ援用の箇所参照 結局のところ1通で平気なので、根拠がどうとかあまりいらないかもしれませんが)

この場合の添付書類の綴じ方・束ね方は

前件の相続登記には
○遺産分割協議書コピー(原本還付)
○印鑑証明書コピー(原本還付)
○その他 相続登記の必要書類


後件の住所変更登記には
○住所変更登記の通常の必要書類(住民票など)
○上申書原本(原本還付されないので原本を添付)
印鑑証明書コピー(原本還付)(上申書に付ける印鑑証明書は原本還付される
※ 援用の場合この印鑑証明書のコピーが不要だが、そもそも援用の場合でもわかりやすいように添付しても問題無いので、結局のところ援用だとしても結論に差はないのではないか

上記の場合で後件において 印鑑証明書コピーを添付せず、後件の申請書の添付書類につき上申書(印鑑証明書付)一部前件添付 と記載して申請を出したこともあったが、特に補正はされなかった。


登記の順番が 住所変更登記→相続登記でも同じことで 印鑑証明書は1通で足ります

この場合綴じ方は

住所変更登記には
上申書
印鑑証明書コピー(原本還付)

相続登記には
遺産分割協議書コピー(原本還付)
印鑑証明書コピー(原本還付)

となるかと思います。


同一申請内で遺産分割協議書と上申書の印鑑証明書の援用の場合

この場合は同一申請内ですので援用と言うより、兼ねられるかという問題ですが

遺産分割協議書には印鑑証明書を添付しますが、

相続登記で被相続人の同一性が証明できず(住所がつながらない時)
上申書を添付する時は、この上申書にも印鑑証明書を基本的に添付します。

Q

では同じ印鑑証明書は2通必要か?

A

この場合印鑑証明書は1通で足ります。1通の印鑑証明書で上申書の印鑑証明書と遺産分割の印鑑証明書を兼ねられます。

尚 遺産分割協議書に添付する印鑑証明書と上申書に添付する印鑑証明書に期限はありません。

この場合、添付書類の綴じ方・束ね方としては、

遺産分割協議書写し(原本還付)+
印鑑証明書写し(原本還付)+
上申書(原本)(上申書は原本還付できないので、原本を添付)で足ります。
(上申書の後に印鑑証明書写しをさらに添付不要)

③ 分割協議書の印鑑証明書を後件の義務者の印鑑証明書として援用できるか?


1 所有権移転東京都○○ 持分2分の1 A→その後Cが遺産分割で取得
神奈川県○○持分2分の1 B→その後Cが贈与で取得

上記登記事項において、A死亡で相続人がCの場合、BC間の遺産分割でCが取得

その後、CがB持分を贈与で取得

Q

この場合BC間の分割協議書のBの印鑑証明書を後件の贈与義務者Bの印鑑証明書として援用できるか?

A

 原則援用できないが・

添付書類が援用できる場合とは 基本的にその性質が同じものの場合援用できます。
つまり、「遺産分割協議書の申請担保の為の印鑑証明書」(不動産登記令19条2項準用?)と登記義務者の印鑑証明(不動産登記令16条2項)は添付の性質が違いますから、援用できません。

しかし、遺産分割協議書の印鑑証明書は原本還付が可能であるので、

前件の相続申請において印鑑証明書のコピー(原本還付)を申請書と束ね、

後件の贈与側には申請書に原本を添付することにより、

結果的に 印鑑証明書は1通で足りると言えます
(すべての法務局でこの方法が使えるかはわかりませんが)

相続でお困りの場合は

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代表 遠藤太郎